人生の中で、仕事に使う時間はとても長い。
学校を出て、定年まで働くとすれば、その時間は軽く10万時間を超える。人生のかなりの部分を、仕事に使うわけだ。
その長い時間の中で、一番しんどいのって何だと思いますか?
体力的なきつさ?ノルマや締め切り?
僕はずっと、人間関係だと思っています。
どんなに仕事内容が好きでも、一緒に働く人との関係がうまくいかないと、仕事全体がつらくなる。逆に、仕事がきつくても、周りの人間関係が良ければ乗り越えられることが多い。
人間関係は、仕事の質そのものを左右する。
正直、僕も「あの人さえいなければ」と思っていた。
起業して15年。ずっと人間関係に悩んできた。
スタッフとのすれ違い。取引先との温度差。思ったように動いてくれない人への苛立ち。「なんでわかってくれないんだ」「もっとちゃんとやってくれ」——そういう気持ちを、何度持ったかわからない。
相手が変わってくれれば、全部うまくいくのに。
本気でそう思っていた時期がある。
でも、ある言葉に出会って、考えが変わった。
「万象我師」という言葉との出会い
倫理法人会という経営者の学びの場で、こんな言葉に出会った。
万象我師(ばんしょうわがし)
「人は鏡、万象はわが師」という考え方だ。
身の回りで起きていることは全部、自分を映す鏡だという。人は見えないところでつながっていて、自分の心やふるまいが、相手の反応として返ってくる。
最初に聞いたとき、正直「なんだ綺麗事か」と思った😔
でも、少しずつ自分に当てはめてみると——思い当たることがたくさん出てきた。
スタッフへの伝え方が雑なとき、スタッフの仕事も雑になっていた。取引先への連絡が遅れがちなとき、向こうからの返事も遅くなっていた。自分が不機嫌なとき、周りの空気も重くなっていた。
相手が変わっていないのに、自分が変わると周りが変わる。
これ、理屈じゃなくて、実際に経験してそう感じたんです。
具体的に、どう考え方を変えるか
「自分を変えましょう」と言うのは簡単だ。でも、じゃあ具体的にどうするのか——そこが大事だと思うので、僕が実際に意識していることを書く。
① 「なぜそうするのか」を想像する
相手の行動にイラっとしたとき、すぐ感情的になるんじゃなくて「なんでこの人はこうしたんだろう」と一度考えてみる。
忙しかったのかもしれない。伝わっていなかったのかもしれない。別の事情があったのかもしれない。
全部わかるわけじゃないけど、想像するだけで、苛立ちが少し落ち着く。
② 「自分の伝え方」を疑う
相手が動いてくれないとき、「相手がやる気ない」と判断する前に「自分の伝え方が悪かったんじゃないか」を先に疑うようにした。
自分の伝え方を変えると、相手の反応が変わることがホントに多い。
③ 期待値を「下げる」んじゃなくて「合わせる」
相手に期待しすぎると、裏切られた気になる。でも期待をゼロにするのも違う。
「この人はここまでできる」「ここは得意じゃない」という実態に合わせた期待値を持つ。これだけで、怒りの回数がぐっと減った。
④ 自分の「虫の居所」を管理する
疲れているとき、睡眠不足のとき、プライベートでモヤモヤしているとき——自分の状態が悪いと、些細なことで人間関係がこじれる。
相手の問題じゃなくて、自分のコンディションの問題だったということが、意外と多い。
それでも、合わない人とは距離を置いていい。
ここまで「自分を変えよう」という話をしてきた。
でも一つ、正直に言っておきたい。
自分を変えても、どうしても合わない人はいる。考え方を変えて、伝え方を工夫して、それでもうまくいかないことがある。
そういうときは——距離を置いていい。
これは逃げじゃない。
全員と仲良くしなきゃいけないわけじゃないし、合わない人間関係を無理に続けることで、自分が消耗していく方が問題だ。
「万象我師」の教えは、相手に合わせて自分を殺すことじゃない。自分の心を整えて、より良い関係を作ろうとする努力のことだと僕は解釈している。
努力した上で、それでもダメなら——離れる判断も、立派な「自分を変える」選択だと思う。
まとめ
仕事の中で人間関係に悩んでいる人へ。
「相手が変わってくれれば」という考えは、気持ちはわかるけど、ずっとそこにいると消耗するだけだと思う。
相手は変えられない。変えられるのは自分だけ。
でも、自分を変えると——面白いくらい、周りが変わってくることがある。
万象はわが師。身の回りで起きることは全部、自分への教えだと思って向き合ってみる。
それだけで、仕事の景色が少し変わるかもしれない。
あしたも良い日になるように🔥


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